教員免許を持たない「専門指導者」
2019年(平成31)年度から実践的な職業教育を行う新しいタイプの高等教育機関として「専門職大学」と「専門職短期大学」が創設されます。
現在、専門職の教育機関としては「専修学校専門課程(専門学校)」がありますが、
「専門職大学」は大学に分類されるため、卒業後には「学士(専門職)」の学位が得られる
事となります。
単に、専門学校に通う期間が長くなるという事ではなく、「理論にも裏づけされた高度な実践力を強みとして、専門業務を牽引できる人材」かつ「変化に対応しつつ、新たなモノやサービスを創り出すことができる人材」とされ、大学レベルの知識と実践的な職業能力の双方を身に付けることを目的としています。
このため「専門職大学」に認定されるためには企業と連携したカリキュラムが必要になり、卒業単位のうち3~4割は企業実習、教員の4割は専門職員を配置しなければならないなど、ハードルは高くなります。
頭でっかちの人材育成ではなく、即戦力を育てるためには重要な事だとは思いますが、逆に「専門教育機関」がより「型にはまった人材教育機関」になる可能性もあるわけです。
職人といわれる技術者は基本的に「教員免許」をもっている者は少なく、職場以外での人材育成経験が少ない者がほとんどです。技術者がそれぞれの経験だけで「教育」に携わるという事はとても危なっかしい事である事を認識しなければなりません。
私自身も、職人あがりで「教員免許」は持っていません。専門学校で働いてきた18年間の間には数々の失敗もありました。これから増えていくであろう、「教員免許」を持たない「指導者」達や、「教員免許」を持ちながら「現場」を知らない「指導者」の方々にとって少しでも参考になるような内容になればと思い、このブログを始めました。
0コメント