「省略」された情報

たとえば「大変です」「不安です」という言葉は大切な情報が抜け落ちています。

この情報を回復しないまま会話を続けていくと、かみ合わないままになってしまう恐れがあります。

ここでは「省略」された情報を回復するための質問方法を考えてみましょう。


■「単純削除」された情報

「不安です」→何について「不安」なのかが省略されています。

質問:「何が不安なのですか?」


■「比較削除」された情報

「下手なんです」→比較対象が省略されています。

質問:「誰と比べて下手なのですか?」


■「不特定指示詞」によって省略された情報

「このままでは駄目です」→「このまま」に具体的な内容は省略されています。

質問:「このまま」とは具体的にどんな状況ですか?


■「不特定動詞」によって省略された情報

「混乱しています」→具体性が省略されています。

質問:どのように混乱しているのですか?


■「名詞化」によって省略された情報

「変化がないんです」→「変化する」が名詞化して省略された情報

質問「何がどのように変化していないんですか?」


「省略」された情報は「具体化」させる質問で回復できます。

内容が「具体化」することで漠然と悩んでいたことにたいしての対処法も具体的になってきます。

学生本人も意識せずに「省略」してしまい、自分で迷路に迷い込んでいく場合が多くあります。

具体化しないまま解決方法を探っていくと、何かしっくりこないといった感じで会話を終えてしまうでしょう。

解決を急がずに「具体化」して正確な情報のもと、会話を続けていきましょう。