悩みを無理に聞き出さない

「話せば楽になるよ」

悩みのある人に対して言う事があるかもしれません。

担任などを持っていると、様々な問題に対処しなくてはいけないというプレッシャーから

学生の悩みを全て把握しておきたいという気持ちになってしまう事もあるでしょう。


しかし、学生の悩みがどんな種類であるかわからないうちに無理に聞き出そうをすると

過去のトラウマを思い出しかえって状況を悪化させてしまう事もあります。

地震や豪雪などの自然災害、交通事故や病気などで大切な人をなくしたりした人は

なおさらです。

その本人にとっては乗り越えなければいけないと分かっていても、乗り越える材料が揃わない限り、

本当に乗り越えることはできないのです。


かつてはトラウマになっている体験の記憶を呼び起こし、感情を吐き出させる事で状況を改善させる「心理的デブリーフィング」という方法が積極的に用いられていました。

しかし、今は、一時的に良くなたように見えても後にPTSD症状を引き起こす可能性が高いとされ

危険性の高い方法という見方が多くなってきています。


学生の全てを把握しておきたい気持ちはわかりますが、この場合の「聞き出す」という行為は

「傾聴」とは違います。

焦って聞き出すよりが、相手が言いやすい状況を作っておく事が大切といえるでしょう。

その為にも、緊急を要する状況に陥る前に信頼関係を気づいておく事が重要です。


学生の危機的状況下においては以下の事に気をつけましょう。

・無理に聞き出さない

・学生の話をさえぎらない

・自分の提案をしない

・知ったかぶりや無理に同調しない

・気休めを言わない

・できない約束をしない

・他と比較しない

・その日の話の内容を忘れない