「先生」の心構え

まず、先生自身が自らの目標を持つことです。

そして『いつまでに、その目標地点まで到着していくのだ』という心構えがまず大切です。目的地がない船は、風が吹く方向に流され、あてのない航海をすることになり、気づいてみれば船は長旅で痛み、目的地以前の問題で大海へと沈むことになるでしょう。


私たちの仕事は、学生の目標に対して、様々なサポートをしていくこと。私たち自身が学生の道標になること。自らが、目標を持たずに導くことは出来ません。だからこそ、今きちんとした目標を持つことをすすめます。


小さな目標でもかまいません。必ず自分の目標を持つことが必要なのです。

では、学生はどんな理由で学校に通うのでしょうか?

『仲間が欲しい』『就職したい』などひとそれぞれの理由があります。でも本当に『仲間が欲しい』なら、いろいろなサークルや、気楽な集まりもありますし、本当に就職だけが目的なら、今すぐ求人情報誌で活動した方が早いかもしれません。

それでは、なぜ学生は、高い学費を払って学校に通っているのでしょうか? 人気のある学校や講師、スタッフはそれを知っているでしょう。

それでは、まだ、その理由を知らない学校や、講師、スタッフはどうすればよいのでしょう。まず第一になぜ学生が自分の学校に通ってくるのかを、理解することが必要です。

高校を卒業して入学してくる学生、大学・短大を卒業して入学する学生、社会人をやめて入学してくる学生など千差万別の状況で学生はやってくるのです。自分の意思でくる学生、そして親や、友達、そして学校にすすめられてくる学生。来る理由があってくることは事実です。

そして、様々な状況はともかくとして、学校へ入学してくる理由はただ1つ、学生自身の【「自己実現=夢」をより効率的に(楽に、早く、楽しく)達成していく】という気持ちなのです。 


学生が持ってる『自己実現』に対する気持ちは、

■あーなりたい、こ一なりたいという気持ち

■もしかしたら、○○になれるかも という気持ち

■(今よりも)より高い技術や知識を得ていきたい 

  という気持ち(知識欲・向上心)

■より良い人生を過ごしていきたい という気持ち

■自分がやりたい仕事に就職したい という気持ち

このような『夢や目標』にたいしての『自己実現』を達成していきたいという気持ちがまずあって入学してくるのです。そして入学後は、このような『未来』に対しての、漠然とした『夢』や『目標』を持ちながらも、学生が抱えている『現在』の様々な『満足=やりがい』に対する気持ちが、学校に通い続ける動機につながっているのです。


■こうしたい ああしたい という気持ちを達成した満足感

■新しい知識や技術を得たという満足感

■楽しい授業を受けた満足感

■仲間(同級生、先輩、後輩、先生、アシスタント等)と良い人間関係を形成している満足感

■ものを作る喜びと作り上げる満足感

■良い成績や作品を作り上げて他人(講師、同級生等)に認められ、褒められる満足感

■好きな事や、好きな人と出会える満足感と期待感

といった様々な満足感が、生徒が通い続ける要因となり、これらにおいて学生が不満足な感情や、気持ちを抱いたりした場合には、学生は通い続ける気力をなくしたり、授業に集中できなくなったり、成績が下がったり、課題や宿題をやらなくなったりしてしまいます。しかし、学生にとっての一番の満足度は、『自分の夢や目標(自己実現)』に対して確実に近づいている(必要なことを学んでいる)という実感なのです。


言い換えると、学生たちは、『自分の夢や目標を実現させていく確実な方法』(自己実現=夢や目標)と確信できている上で、現在、学校に通うのに足る(『満足=やりがい』)を満たしていれば、学生たちは学校に通い続けるのです。ただし、それは学生が『夢』や『目標』に対しての執着心を持ち続けることが必要不可欠な前提条件となっているのです。

しかも、そういった欲求を持っている学生であっても、なかなか口に出してその『夢』や『目標』をきちんと話できる学生は少ないのです。自分自身の『夢』や『目標』であるにもかかわらず、他人まかせの学生がなんと多いのでしょう。私たちの仕事(先生)をなんだと思っているのでしょう。腹の立つことも多いと思います。それでも、大切な学生は学生です。そんな学生を上手に導いていくことが出来るようになってこそ一流のプロ”と呼べるのです。また表現や、自己主張をしない生徒だからといって、その気がないと思うのは大間違いです。下手をすると、大きな落とし穴に落とされてしまいます。細心の注意が必要なのです。