学生の「欲求」
学び始めた学生に対して、初めにどんな指導を行えばよいのでしょうか?
マズローの5大欲求に沿って考えてみましょう。
第一階層の「生理的欲求」は、生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、飲みたい、寝たいなど)。この欲求がある程度満たされると次の階層「安全欲求」を求めるようになります。
第二階層の「安全欲求」には、危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求が含まれます。
この「安全欲求」が満たされると、次の階層である「社会的欲求(帰属欲求)」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)を求めるようにます。この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなると言われます。
ここまでの欲求は、外的に満たされたいという思いから出てくる欲求(低次の欲求)で、これ以降は内的な心を満たしたいという欲求(高次の欲求)に変わります。
「社会的欲求」の次に芽生える欲求は、第四階層である「尊厳欲求(承認欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)です。
そしてその「尊厳欲求」が満たされると、最後に「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)が生まれます。
入学したばかりの学生は「不安」でいっぱいです。
5大欲求の中では主に「社会的欲求」を満たしたいという思いが強い学生が多いと思います。
指導者としては、早く技術を教えて一人前になってほしいと思う気持ちが強いと思いますが、まずがこの「社会的欲求」を満たさないと、次の欲求がうまれにくいといえるでしょう。
それどころか、新しい環境で「所属欲求」が満たされないと「家族」や「友人」といった
安全な環境で「所属欲求」を満たしてくれる場所へ行ってしまい、不登校にもなりえるでしょう。
技術を指導する前に、クラスをまとめ、学生の存在を認め、居場所を作るところから始めていくのが良いと思います。
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